フリーランス新法に関して

フリーランス新法とは?

正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)といいます。個人で働くフリーランスに業務委託を行う発注事業者に対し、業務委託をした際の取引条件の明示、給付を受領した日から原則60日以内での報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備等が義務付けられます。

法施行から読み取れること

働き方の多様化を国が一層推進していく事が読み取れます。理由は個々人に色々な働き方をしてもらう事で財政逼迫や働き手不足など、諸問題を改善できる可能性があるからです。特に働き手の大半を占める正社員の副業兼業には大きな余白が残されています。現在副業兼業の大きなネックとなっているのが、労働時間の通算をどの様に扱うかという問題です。労働時間を全く関係のない2社間で共有し、残業時間や残業代を算出、支払う事は実務上相当煩雑な作業になります。ただし、これは2社とも雇用契約を結んだ場合の話しで、一方は雇用契約、一方は業務委託であればこの問題は発生しません。そして、冒頭のフリーランス新法はこの業務委託者を守る事が主な趣旨となっています。つまり、雇用契約、業務委託契約に限らず、働く人がどの様な働き方をしても安心して働ける環境を作る事で、人手が行き渡り、所得が増え、財政が潤うという好循環を生むことが国の方向性であると考えられます。

社労士の役割

働く「人」の専門家である社労士は、今後ますます出番が増えてくることが予想されます。働く環境が多様化すれば、それだけトラブルの元が増えることになるからです。特に指揮命令権のない業務委託契約と指揮命令権のある雇用契約が混在する事は大きなリスクをはらんでいます。使用者、労働者共にそれぞれの契約に基づいてどの様に対応したらよいか、まだまだ馴染みがなく、簡単に問題となるラインを超えてしまう可能性があります。そのような労働環境の中、事前の法整備や運用のアドバイスを行う事で、労使双方に安心して働いて頂ける環境を整えることが社労士の役割の一つであり、我々のやりがいがある部分でもあります。ご縁のある企業様や働き手の方と共に私も一つずつ働きやすい世の中に貢献していきたいと思います。


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